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キャリアパス_02 技術部 主任 吉田 友一

KWN PRIDE

学生時代 粉体工学を専攻

当社にはコンベヤーベルト、フィルター、スクリーン(ふるい)の3つの主力製品がありますが、実は私は学生時代の専攻が粉体工学であり、ふるいを使った研究を行っていました。私が所属していた研究室に社会人ドクターとして来られていた方が現在の私の上司であり、その縁が関西金網を知るきっかけになりました。ふるいを研究していると自然に金網に親しみを覚えていたこともあり、関西金網への入社を決めました。

2007 入社、技術部に配属

入社後に配属された技術部は、主に2つの役割を担っています。1つ目はお客様のご要望に沿った製品を作るための設計業務、そしてもう1つが、金網の諸特性を明らかにし、次の製品作りに活かすための基礎研究・開発業務です。基礎研究において、課題解決に向けて取り組む姿勢は社会人になっても変わりませんが、我が道を思うまま進めた学生時代とは異なり、会社ではビジネスに結実させなければならないという面があり、私にとってはそれが新鮮でした。また時には営業に同行して専門的なやり取りをお客様と直接行うなど、様々な経験を積ませてもらいました。

2011 長期スパンに及ぶ基礎研究を開始

この頃から、フィルターの圧力損失の推算に関する基礎研究を開始しました。金網の圧力損失は、フィルター設計に不可欠なパラメータであり、精度良く推算することが求められます。しかしながら、既存の推算式では推算精度を欠くことがしばしばありました。その主な理由として、複雑な構造体である金網周りの流れを実験により調べることが困難であることが挙げられます。そこで私は、数値流体力学に着目し、金網周りの流れのシミュレーションを行うことで、金網の幾何学特性が圧力損失に及ぼす影響を調べました。シミュレーション結果から圧力損失に寄与するパラメータを抽出し、推算式を導出するのですが、はじめはパラメータの見極めが不十分で、シミュレーションをやり直しては推算式を修正してを繰り返し、数々の廃案が出ました。そして、足掛け4年の歳月を費やし、納得のいく高精度な圧力損失推算式を導出することができました。

2016 学会で優秀論文賞を受賞

先の圧力損失推算式の導出に関して、苦労して発表した論文が学会で賞をいただけたのは、望外の喜びでした。この4年間の全てをこの研究に費やしたわけではなく、お客様のご要望に応えるための設計業務や営業同行などの合間を縫っての作業でしたので、形にするまで少し時間がかかりましたし、社員の皆さんから本当に手厚いサポートもいただけました。そうした期待に応えられた嬉しさと、この研究を社業の発展や製品の品質向上に繋げていかなければならない責任感を同時に感じたのを覚えています。また論文を発表して終わりではなく、さらに適用範囲を拡大、精度を向上するために現在も本研究を継続しています。

これから 技術部のこれからを考え、動き出す

当社はオーダーメイドの製品作りに強みがある反面、設計業務に時間がかかってしまうという面もあります。そうした負担を軽減し、よりテクニカルな設計業務に時間を割いたり、研究・開発にリソースを振り分けることができるよう、設計業務の標準化やオートメーション化に向けた取組みを進めていきたいと考えています。例えば過去に作成した膨大な量の図面や設計資料を整理・アーカイブ化することでこれまでのナレッジを活かすことができるのではないかと考え、設計図書の充実化を推進するなど、できることはまだまだあるのではないかと考えています。こうした動きがよいサイクルとなって、会社の業績向上に貢献できれば嬉しいです。