このページの先頭です
ここから本文です

技術情報

ワイヤコンベヤーベルトとコンベヤー装置

全体の仕組み・構造

全体の仕組み・構造

上はワイヤコンベヤーベルトをコンベヤー装置に取り付けたイメージ図です(図のレイアウトは装置を単純化したものであり、他にも様々なレイアウトの装置があります)。
ワイヤコンベヤーベルトはメッシュベルト、コンベヤー装置はコンベヤー本体、本体などとも呼ばれます。
コンベヤー装置を構成する主なパートとして、
①駆動部・従動部 ②テークアップ部 ③ベルト支持部 があります。
ここでは、ワイヤコンベヤーベルトとこれらの関係を説明します。

①駆動部・従動部

駆動方式

ワイヤコンベヤーベルトの駆動方式は大きく分けてスプロケット駆動と摩擦駆動に分かれます。スプロケット駆動と摩擦駆動の主な使い分けは、“ベルトタイプの選定フロー(一例)”を参照ください。

ベルトタイプの選定フロー(一例)

スプロケット駆動(直接駆動)

ベルトの網目やチェーン、駒といった部品にスプロケット(歯車)の歯を掛けて駆動させる方式です。スリップや蛇行が少なく、安定走行させやすいです。ベルトのタイプによってスプロケットの形状が異なります。ベルトの網目にスプロケットの歯を掛けて駆動させる場合は、直接駆動用のベルトを使用する必要があります(DDK2、FW、R1、BLなど)。

スプロケット駆動(直接駆動)
スプロケット駆動(直接駆動)

ドラム駆動(摩擦駆動)

ドラム駆動(摩擦駆動)

ベルトをドライブローラーに密着させて、ベルト表面とドライブローラーの摩擦力で駆動させる方式です。摩擦力を上げるために、ドライブローラーにゴムライニングやローレット加工などを施す場合があります。
一般的に、ベルトに与えなければならない張力がスプロケット駆動よりも大きくなり、装置も大きなものになります。ドラム駆動の駆動方法はカタログも参照ください。

駆動部/従動部のローラー径

駆動部/従動部は、ワイヤコンベヤーベルトがローラーやスプロケットに巻き付く箇所です。ローラーに巻き付けて走行させる際、ローラー径によってはベルトがうまく走行しないことがあるため、注意が必要です。

ロッドピッチとローラー径

多くのワイヤコンベヤーベルトは、かなり小半径のローラーにも巻き付くこと自体はできますが、適切なローラー径にしないとベルトがうまく走行しなかったり、ベルトの寿命を短くする原因となったりします。

ローラー径とネットフランジ内高さ

ネットフランジタイプは、ベルトの屈曲にかなり制限がかかります。特にコンベヤー装置レイアウトに逆Rがある場合は、注意が必要です。

チェーンのプレートフランジ高さと逆R

フランジタイプのチェーンを使用するとき、コンベヤー装置レイアウトに逆Rがあると、フランジ同士の干渉に気をつけないといけません。

※上記以外にも駆動部/従動部のローラー径を決めるファクターはあり、当社推奨径でも製品重量やその他条件によってベルトがスリップ等を起こすことはありますので、ご注意ください。

②テークアップ部

テークアップは、ワイヤコンベヤーベルトに適切なテンションを掛けるための機構で、テークアップユニット、緊張装置とも呼ばれます。

②テークアップ部

ベルトにかかるテンションが適切でないと、

  • スプロケット駆動での歯飛びや乗り上げ
  • ドラム駆動でのスリップや蛇行
  • ベルト支持部やその他コンベヤー装置部品への干渉

などのトラブルの原因となります。
特にベルトは使っている間に徐々に伸びてテンションが低下します。
定期的にテークアップを調整して、適切なテンションを維持する必要があります。写真はネジ式テークアップの一例です。

③ベルト支持部

駆動部や従動部などのローラー間でベルトを支持するパートです。ベルトの支持方式には大きく分けてレール支持とローラー支持があります。

レール支持

レール支持

ベルトをレールで支えます。受けレール、サポートレールなどと呼ばれます。
一般的には樹脂製のレールが使用されます。ベルトの局部摩耗を防ぐために受けレールの配置をヘリンボン形状や格子形状にする場合もあります。

ローラー支持

ベルトを複数のローラーで支えます。受けローラー、サポートローラーなどと呼ばれます。
レール支持に比べて、ベルトの張力を小さくすることができます。ローラー間でベルトがいくらか撓むため、リターン面で使用されることが多いです。ベルトが振動する場合があるので、搬送物のシビアな整列を求められる場合には向きません。